kanahebichanの日記

かなへびちゃんの日記です

悪いのは母ではない

思えば母のことは何も知らないに等しい。

私が7歳の頃に父親と離婚してから、私達姉弟を育てるために夜の繁華街で飲食店を始めて、私達が学校から戻る頃には家に居なかったし、私達は高校以降は遠方地の寮に入れられたので、一緒に生活することさえなくなった。

偶に会う母はお洒落で、偉そうなことを言って、友達もたくさんいて、だから自分の中で勝手な母親像、例えば頭が良くて強くて独りで何でもできる、みたいなのが作り上げられてて、今その自分の中の完璧な母親と現実の母親のギャップに心が衝撃を受けることが多くて、正直きつい。

驚くほど何もできない。

何もできないのに何でもできるみたいなことをまだ言ってるし、何も分かってないのに分かったふうなことを言うし、そんなことを言うものだからなかなか人に頼れなくてますます何もできなくなっている。

そんな愚かな母親に苛立ってうまく付き合えず、一時は絶縁したいとまで思ったけど、考えてみれば愚かでない母親像は自分が勝手に作ったもので、それと現実の母親が違いすぎて苛立つのは自分が悪い。

母は昔も今も変わらずこの調子だったのだ。

 

今、病気が進行してほとんど手を打てなくなっていて、このまままともに動けず、最後には苦しんで逝くのかと思うと不憫で吐きそうになる。鉛の塊を呑み込んだように胃が重くて、泣きたいけど泣けないし、何でこんなことになったんだという苛立ちと、母親のことを放ってた自分への罪悪感も酷い。

でもそれはまだ決まったことじゃなくて、現実は今日から新薬の投与も始まるし、余命宣告をされたわけでもない。自分がまた勝手に悲惨な癌患者の末路を自分の中に作り上げて、悲しんだり哀れんだり罪悪感を感じたりしているだけだ。それこそ本当に愚の骨頂で、母親のことを愚かだと言える筋合いではない。

 

この先起きそうな出来事をあれこれ想像するのは、子供の頃からの癖だ。

でも子供の頃は楽しい未来の想像が多くて、何時間、何日考え続けても飽きなかった。

大人になって、楽しい未来は「現実には起こらない」と分かってからは、悲惨な未来ばかり何時間も何日も想像するようになってしまって本当につらい。

考えるのをやめたくてもやめられなくて、漫画を読んだりアニメを見たりして紛らわせようとしても、気が逸れてやっぱり(起きてもいない)つらいことや悲惨なことばかり考えてしまう。

この悪癖を直す方法か、考えるスイッチを切る方法が知りたいです。

今のところ最も有効なのは眠剤飲んで寝ることなんだけど、そんなこと社会人として許されないしなぁ。